携帯電話のキャリアや、家電製品のサポートを受けるためにコールセンターに電話したことがある人は多いのではないでしょうか。そこで期待はずれな対応、マニュアル通りの対応しか受けられず嫌な思いをされた方も多いと思います。

以前の投稿でも書いたとおり、僕はコールセンター勤務の経験があります。
オペレーターの立場と、それをまとめるリーダーの立場どちらも経験しました。
あくまで僕が経験した中での話になりますが、今回は、なぜコールセンターはマニュアル通りの対応しかできないのか、書いてみたいと思います。


コールセンターってどうなってるの?
そもそもコールセンターにとっての顧客とは一体誰でしょうか?「もちろん電話をかけてくるお客さんでしょ!」と思うでしょう。それは間違いではありません。ただ、第一顧客は誰かと考えると、仕事の発注元であるクライアント、ということになります。

携帯電話のキャリア、家電メーカー、保険、クレジットカードなど、コールセンターを設けているところは多くありますが、大体はコールセンター運営を事業として行っている業者に発注して運営されています。発注する側がクライアントですね。
そこで、仕事を発注する代わりに、クリアすべき条件を提示されるわけです。業種に寄って様々あると思いますが、

・電話対応1本あたりの対応分数は〇〇分以下
・顧客満足度は〇〇%以上
・オペレーターの配置人数は〇〇人以上

などです。で、電話一本につき〇〇円とか、要求された人数を配置できていればいくらだとか、そんな具合に決まっていきます。逆に、要求された条件を満たせない場合、ペナルティとしてクライアントに罰金を支払わなければならないことになります。

つまり、クライアントの要求に応えることが第一なわけです。 

コールセンター運営業者は、オペレーターを確保する必要がありますが、直雇用で雇う場合もあれば、派遣会社から集める場合もあります。
僕が働いていたコールセンターの場合、コールセンター運営業者直雇用の契約社員と、複数の派遣会社から集めた派遣社員が混在していました。
なので、どこかのコールセンターに電話した場合「〇〇サポートデスクの〇〇と申します」などとオペレーターは名乗りますが、実際にはどこかの派遣会社から派遣されている人がほとんどです。

もちろん、場合により本当にその元々の携帯電話会社のや、家電メーカーの直雇用のオペレーターもいないわけではありません。

 
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働く人にとってのコールセンターとは?
コールセンターってそもそもどんなところなのか、書いておきましょう。

まず最初に言っておきたいのは、コールセンターで働きたい!と思ってコールセンターの仕事を選ぶ人は少ない、ということです。コールセンターで働いている人の大半は、やりたいことがあるけど、それでは生活できないので仕方なくだったり、やりたいことに挫折して当面の生活費を稼ぐつもりでやっている人が多いです。要するに、モチベーションがそもそも高くないわけです。これにももちろん、例外はあります。意識高く頑張っている人もいます。(こういう人に当たると、良い対応をしてもらえるんですよね。)

コールセンターの求人は地方都市にとっては大きい働き口なのですが、コールセンターによってはいくら募集しても人で不足、なんてこともあります。離職率が高いんですね。しかし、クライアントから要求されている人数は集めなくてはなりません。そのため、応募者に適正がないと思われる場合でも、雇ってしまうことがあります。
適正がないのに雇われてしまった人は、早ければ研修中、遅くても数ヶ月で辞めることになるでしょう。



なぜマニュアル通りの対応しかできないのか

さて、前置きが長くなりましたが、本題です。
僕は、コールセンターのオペレーターがマニュアル通りの対応になってしまう要因として、上記に上げた

・直雇用でない  
・離職率が高く人が育たない
・モチベーションが高くない

があげられると思います。

上にも書いて通り、電話口に出てくるオペレーターのほとんどは派遣社員やコールセンター運営業者に雇用されている人です。
お客さんからマニュアルから外れた要求をされると、まずは自分の直属の上司に相談します。その上司も結局コールセンター運営業者の人間なので、大きな例外対応の判断はできません。そうすると、その上司からクライアントに相談することになります。そこで、「それならやっていいですよ」とか「それは駄目です、お客様に納得してもらってください」とか、回答を得ます。

それをまたオペレーターがお客さんに伝える。……融通きかないですよねこれじゃ。
電話口に出てくるオペレーターにそもそもマニュアルから外れた対応なんて許されてませんから。

離職率が高いと、そもそもマニュアル通りにするのも難しいレベルの人、マニュアル通りがやっとだという人もいます。そんなレベルの人は、マニュアル外の要求に応えられるはずもありません。
モチベーションが高く無いと、そもそも「このお客さん困ってる!なんとかしてあげたい!」なんて発想が出てこない。マニュアル通りにやって、クライアントに要求される数字を出して、さようならという感じですね。


僕が以前勤めていたコールセンターは、ある程度例外対応ができるところでした。しかし、それもあくまで、“例外対応を要求された時のマニュアルに従って”のことです。

多くのお客様を対応し、オペレーターを管理するとなると、マニュアルから外れるのは時間とお金の面で大変なわけです。


いろいろ書きましたが、じゃあどうしたらマニュアル通りという印象を拭えるのか、という話はまた次回にでも。今回は長く書きすぎましたのでね。

では!